会長ごあいさつ
お客様も含めた制御業界ならびに、
社会全体の発展に貢献していきます。
おかげさまで、日本電気制御機器工業会(NECA)は、創設から60年の歴史を迎えました。この記念すべき年に、私たちは新たな一歩を踏み出します。
これまで推進してきた「将来ビジョン2025~3Sの進化~」に変わり、「将来ビジョン2030~新たな価値の創造に向けて~」と題した、新しいビジョンがスタートします。
現代の世界情勢は、地政学的な脅威の拡大、気候変動への懸念の高まりといった不確実性を増加させています。同時に、人材不足の深刻化や、AI、半導体、通信、ロボティクスなどの技術進歩は、ものづくりへの新たな課題と機会をもたらしています。これらの変化に対応し、カーボンニュートラルやSDGsの推進といった社会課題への対応を含め、持続可能な社会づくりに貢献することが今、私たちに求められています。
この認識の下、長期戦略を検討する中で工業会のミッションを「制御技術の進歩と産業の持続的成長に貢献し、社会の課題に応じて提供価値を拡大することで豊かな社会づくりを実現する」と設定しました。電気制御機器から「機器」を外し制御技術とし、従来の電気制御機器の枠にとらわれず、これまで培ってきた制御技術をさらに進歩させ、会員企業様と会員企業のお客様の持続的な成長に貢献していきます。機器単体の価値提供にとどまらず、ソフトウエアやサービスにまで広げて、社会や顧客の課題解決を支援し、共創する企業の対象も拡大していきます。この活動を継続することで、豊かな社会づくりを実現していくという意志を込めたミッションとしました。
将来ビジョン2030で制定したビジョンは、「新たな価値を創造し、誰もがいきいきと活躍できる持続可能な産業・社会に貢献する」としました。ビジョンを実現するために私たちは、「人」、「技術進化」、「不確実性への対応」、「社会課題への取り組み」という4つの重要な観点に焦点を当て、深い検討を重ねてきました。「新たな価値の創造」という大きな目標のもと、我々の業界、そして社会全体に対して、どのように貢献できるかを深く考え、新しいビジョンを策定しました。
また、当工業会の特徴であり、主要メンバーでもある中小企業のみなさま方の声を、より一層反映させて活動を進めることとしております。
2030年を達成時期として設定し、4つの「P」からなる新たな価値の提供拡大を目指していきます。これらは、今後の活動の核となるもので、私たちの産業が直面する現代の課題に対応するための解答です。
1つ目の「P」は、「People」人材獲得、人材育成です。課題も重要性も拡大していますので、こだわって取り組んでいきます。
2つ目の「P」は、「Productivity 」生産性向上です。単純に生産性を上げていくだけということではなく、価値を上げていくことを意図します。制御技術が今まで以上の高い付加価値を上げることを実現できると考えています。
3つ目の「P」は、「Perspective」視点転換です。世の中変わって行っているので、固定観念に囚われず、色々な視点を取り入れて、柔軟にやっていきましょうという意味です。
最後の「P」は、「Partnership」共創です。社会課題に対して対峙していくには今までの枠を大きく広げた共創が必須だと考えます。
この4つの「P」からなる新たな価値の提供拡大を目指し、我々のお客様も含めた制御業界ならびに、社会全体の発展に貢献してまいります。
2024年5月31日
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