「将来ビジョン2025」の実現に向けて
第4次産業革命の進展、IoTの進化、ロボット革命、AI、VR……ものづくりを取巻く環境は、劇的な変化が起きています。変革の時代にNECAはどこを目指すのか、何に取組むべきなのかを見つめ直したとき、一つの答えが浮かび上がりました。
それは「日本のものづくり復活」。
実現に向けて、「ものづくりの将来像」を掲げ、従来から取組んできた「3S」を更に進化させて取組んでまいります。
NECAが目指すものづくりの将来像
2030年、日本のものづくりが復活し、世界を再び牽引する状態に思いを巡らせたとき、NECAが出した答えは、
「5ZERO マニュファクチャリング」
日本のものづくりの強さである匠の技の進化や「PDCA」を重ねた改善とともに、IoT、ビッグデータ、AI、協調ロボットなどの技術的なイノベーションの活用により、Q・C・D・Sと設備保全の領域で、5つの「ZERO」が実現された世界でした。
- Q(品質) Zero defect : 欠陥ゼロ
- C(コスト) Zero production loss : 生産ロスゼロ
- D(納期) Zero late delivery : 納期遅延ゼロ
- S(安全・セキュリティ) Zero accident : 事故ゼロ
- 設備保全 Zero downtime : 生産ライン停止ゼロ
NECAは電気制御機器の進化と、新たなサービスの創出で、5つの「ZERO」を目指した、究極のものづくりの実現を推進します。
NECAが取組む3つのSとその進化
NECAは「5ZERO マニュファクチャリング」を実現し、業界の発展・拡大を目指します。
活動の中心は、従来から重点的に取組んでいる3つのS。
- Standardization〈標準化〉
- Safety〈安全〉
- Sustainable Society〈環境〉
この3つのSを飛躍的に進化させていきます。
ものづくりのモデル化、協調安全への取組み、セキュリティの推進、エネルギーマネジメント最適化等、「進化」の方向性や広がりは多岐にわたります。これらの活動を通じて、提供価値の拡大と事業ドメイン拡大を図っていきます。
重点施策
「将来ビジョン2025」の実現に向け、NECAが取組む“3S”とその進化について、それぞれの活動内容を紹介いたします。
Standardization〈標準化〉
産業界の発展のため、電気制御機器の定義や体系を整備し、ISO、IECなどの国際規格の調査・研究を通じ、その規格の制定・改訂や整合化を行い、「国際標準化」を推進しています。そのために、下記のIEC国内委員会の運営や国際会議への参加など、国内外で活動しています。
- IEC/TC94:補助継電器(リレー)
- IEC/SC23J:機器用スイッチ
また、JIS規格の原案作成のほか、工業会規格としてのNECA規格や技術資料(TR)の制定なども行っています。
Safety〈安全・セキュリティ〉
安全
第4次産業革命の進展および技術の進化に伴い、人とロボットが協働する新たな生産システムの導入が拡大する中、人・モノ・環境を情報で繋ぎ、各々が協調して高次元の安全および高い生産性を実現する「Safety2.0」に適合した次世代安全システムの開発や、従来から取組んでいる「セーフティアセッサ/セーフティベーシックアセッサ資格制度(以下SA資格制度)」のグローバル展開・国際標準化を推進することで、安全制御機器市場の拡大、安全啓発・人材育成を図り、世界のものづくり安全に貢献します。
セキュリティ
近年のオープン化やネットワーク化の流れの中で、制御システムを対象としたサイバー攻撃が増加しています。
そのため、制御システムのセキュリティ確保に向けた、標準化への取組み、情報収集と啓発活動を実施しています。
Sustainable Society〈環境〉
会員企業のCSR(企業の社会的責任)活動に関係する活動として、NECAでは「地球温暖化対策」「有害化学物質対策(汚染予防)」「持続可能な資源使用」の環境課題への対応を活動の主軸としています。
- 地球温暖化対策ではIoT機能搭載の制御機器などからの情報を活用したエネルギー最適化に向けた事例収集や提言。
- 有害化学物質対策では、内外の製品関連環境規制法の調査研究を通じた成果の会員企業への発信。
- 持続可能な資源使用では環境配慮設計法をまとめたガイドの普及と進化改訂を進めていきます。